コントラバスといえば、やはり弦楽器のほうを思い浮かべる人は多いだろうか。
今回は弦楽器のコントラバスではなく、木管楽器のコントラについて書いてみたい。
小編成のバンドではまずお目にかかれないが、大きいバンドや(財力のあるバンド)になると、コントラバスクラリネット、コントラファゴットに出会うことがある。
もちろん他にもあるが吹奏楽曲で楽譜のある楽器でいえばこの2つだろう。
コントラバスクラリネット(Contrabass Clarinet/Cb.Cl.)
コントラバスクラリネット(以下、コンバス)は、アルフレッド・リード氏の楽曲によく登場している。
音域はB♭管クラリネットより2オクダーブ、バスクラリネットより1オクダーブ低い。
フルスコア(総譜)を見たことがある人であれば知っているかもしれないが、かの有名な「アルメニアン・ダンス」や「音楽祭のプレリュード」「春の猟犬」「エル・カミーノ・レアル」などに記譜がある。
なくてもいいのでは?と思いがちだがパートごとに高音から低音まで充実しているとやはり音楽の深みが増す。
音楽の三大要素はと問われれば「メロディー」「ハーモニー」「伴奏」となるが、保科 洋氏いわく、ここに「音色」が入る。(10年ほど前に直接お聞きした)
それに照らし合わせれば同じ低音でも「クラリネットの低音」なのか「チューバの低音」なのかは越えようのない壁があるのだろう。
ちなみに、深くは触れないが「コントラアルトクラリネット」もある。どちらも室内楽やアンサンブルにはまま登場する。
コントラファゴット(Contra Fagott/C.Fg.)/コントラバスーン(Contra Bassoon/C.Bsn.)
なぜ、コントラバスファゴットではないのか。(置いといて)
音域はファゴットより1オクダーブ低い。
この楽器が登場する曲は(過去の経験によると)、ヤン・ヴァル・デル・ロースト「いにしえの時から」やフィリップ・スパーク「ダンス・ムーブメント」、「ドラゴンの年」、「ウィーク・エンド・イン・ニューヨーク」、リード「アルメニアン・ダンス」などなど…
コンバス同様、意外とたくさんある。
ちなみに、クラリネットと違い「バスファゴット/バスバスーン」は存在しない。
ファゴットが既に「バス」の音域だから、と言いたいところだが、実際はB管クラリネットより少し狭い。
呼び方については「コンファゴ」のほうが圧倒的に多い。
コンバスがあるバンドにはだいたいコンファゴもあるだろうから(偏見)、コントラバスーンを略すと「コンバス」となり、混乱するからだと思っている。
コントラバスバスーンなら「バスバス」とかいってかわi…
コントラ属を使いたいバンドはレンタルがおすすめ。
こういう楽器こそプラスチックでコスパを抑えたいが、クラリネットはバスクラまでしかプラスチックがない様子。
今後に期待したい。
誰か作ってください。